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東京高等裁判所 平成8年(行コ)104号 判決 1997年6月12日

千葉市稲毛区穴川三丁目八番一六号

控訴人

吉田代一郎

右訴訟代理人弁護士

葉山岳夫

中小路大

千葉市中央区祐光一丁目一番一号

被控訴人

千葉東税務署長 小野寺宗隆

右指定代理人

竹村彰

関澤節男

河村康之

峰岡睦久

右当事者間の相続税更正処分取消等請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一申立て

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が被相続人吉田代次郎(昭和六二年二月九日相続開始)に係る控訴人の相続税につき、平成元年六月三〇日付でした更正及び過少申告加算税賦課決定は、いずれもこれを取り消す。

3  控訴費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文同旨。

第二事案の概要

次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実及び理由第二記載のとおりであるから、これを引用する(ただし、原判決二枚目裏六行目の「いう」を「いい、両者を併せて「本件貸付信託及びワリコー」という」に、同三枚目表九行目の「千葉銀行」を「株式会社千葉銀行(以下「千葉銀行」という。)」に改め、同裏四行目の「みて、」の次に「当時」を加え、同行及び同六行目の「購入」を「設定又は購入」に改め、同九行目の「安田信託銀行」の次に「株式会社」を加え、同一〇行目の「購入」をいずれも「設定」に、「買増し」を「額の増加」に、同四枚目表三行目の「新規」を「設定ないし」に、同裏二行目の「購入」を「設定又は購入」に改める。)

第三争点に対する判断

一  当裁判所も控訴人の被控訴人に対する本訴請求はいずれも理由がないものと判断する。その理由は次のとおり付加、訂正するほか、原判決事実及び理由の第三及び第四の記載と同一であるから、これを引用する。

1  原判決七枚目裏二行目の「乙第二号証」を「甲第一二五、第一三七号証、乙第二、第三、第一五、」に、同八枚目表四行目の「昭和四一年」を「昭和四〇年」に、同五行目から同一一枚目表一〇行目までの間の「開設」をいずれも「設定」に改める。

2  原判決八枚目表七行目から同八行目にかけての「別紙四「貸付信託の異動推移表」」を「本判決添付の「貸付信託の異動推移表」」に、同一〇行目の「昭和五一年」を「昭和四九年」に、同裏二行目の「いろはにほ」を「いろににほ」に改め、同五行目の「六本のうち」の次に「同表のNo.1及びNo.5ないしNo.8の」を加え、同九枚目表三行目から同四行目にかけての「(乙第二ないし第四号証)など」を「など(甲第一一六号証、第一二二号証の一、二、乙第二ないし第四号証、第六一号証)」に、同五行目の「開設されたもの」から同六行目までを「設定されたものであり、その他にも昭和四〇年一一月ころ設定された前記の「貸付信託の異動推移表」のNo.11、No.12のほ号第一二八回(二本)などが存在したことが推認できるものの、これらの詳細は不明である。」に、同七行目の「別紙「貸付信託の異動推移表」」を「前記の「貸付信託の異動推移表」」に改める。

3  原判決九枚目裏五行目から六行目にかけての「いろはにほ」を「いろににほ」に、同一〇枚目裏二行目から三行目までを「のみならず、甲第一一六号証、第一二二号証の一、二によると、右ほ号一二八回(二本合計一億円)の貸付信託は昭和四五年一一月に満期となり、その償還金は割引金融債券の購入資金に充てて運用されたことが窺われるから、右主張は採用することができない。」に改める。

4  原判決一〇枚目裏五行目の「聴取書」の次に「、証言等」を加え、同一一枚目表初行の「第一六号証の聴取書」を「第一六号証、甲第一二五ないし第一二七号証及び当審における証言」に、同裏二行目の「行ってきたことが認められる(乙第二ないし第六号証)」を「行ってきたものであって、安田信託千葉支店においては、これらの貸付信託は全て代次郎のものと認識し、これらをそのようなものとして取り扱っていたことが認められる(乙第二ないし第七号証)」に改める。

5  原判決一三枚目裏初行の「家族名義」を「家族、親族、知人及び架空名義」に改め、同二行目の「乙」の次に「第一六、」を、同一四枚目表九行目の「別紙」の次に「二」を加え、同一五枚目表五行目の括弧書きを「(甲第一二五、第一二六号証、乙第一、第二、第四号証)」に、同裏五行目の「あると主張する」を「あって、控訴人はこれらの不動産の取得・処分の都度代次郎から報告を受けていたと主張し、原審における控訴人本人尋問の結果中にはこれに沿う部分がある」に改め、同九行目の「いたものであり」から同一六枚目表七行目までを次のとおり改める。

「いたものであることに加えて、前記のとおり、代次郎は、千葉銀行の株式を志げや中沢らの名義で取得したり、その名義を変更したり、控訴人を含む家族、親族、知人、架空の名義あるいは無記名で定期預金をしたりしていたことに照らすと、右のように代次郎がその出捐によって取得した不動産を控訴人名義にしていたとはいえ、そのことから、代次郎がこれらの不動産を控訴人に贈与したものと認めることは到底できない(なお、代次郎は、その出捐によって取得した不動産については、株式や定期預金と異なり、そのほとんどを長男である控訴人の名義にしていたことからすると、いずれは右不動産を控訴人に贈与するつもりであったことが窺えないではないが、そのことから直ちに代次郎が取得した時に贈与があったものと認めることができないのはいうまでもない。)」

6  原判決一六枚目裏四行目の「第五九」の次に「、第一二五、第一二六」を加え、同一八枚目表七行目の「原告主張の」から同八行目までを「右主張は到底採用することができず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。」に、同裏五行目の「あったようであるが」を「あったが」に改め、同一九枚目表四行目の「乙」の前に「甲第一一八号証、」を、同行の「一九号証、」の次に「当審証人中沢幸子、」を加え、同二〇枚目裏二行目から三行目にかけて、同三行目及び同四行目の「購入」をいずれも「設定」に、同四行目の「買増しを継続し」を「設定額を増加し」に改め、同二一枚目表五行目の「第一一、」の次に「第一二、」を加える。

7  原判決二一枚目裏二行目の「2にみたように」を「2のとおり」に改め、同二三枚目表初行の「過程」の次に「(控訴人は、財産はその取得名義人に帰属することを主張しているのに、なぜ妻が取得した相続財産を原資として取得した財産を控訴人の財産と主張するのか、また、それはいずれの貸付信託の設定資金に充てられたのかなど。)」を、同二四枚目裏三行目の「「貸付信託の異動推持表」」の前及び同五行目の「ところ、」の次に各「前記の」を、同二五枚目表一〇行目の「及び」の次及び同末行の「回号と」の次に各「前記の」を、同二六枚目裏六行目の「知人を介して」の次に、「、同月一五日に」を、同七行目の「乙第一」の前に「甲第一二六、第一二七号証、」を、同行の「第四号証、」の次に「当審証人中沢幸子、」を同二八枚目表三行目の「念証は」の次に「前記の」を加え、同七行目の「(原告の妻)が記名押印しているが」を「(原告の妻)の記名押印がされており」に、同八行目の「代次郎が記名捺印している」を「代次郎の記名押印がされている」に改める。

8  原判決二八枚目裏八行目の「甲第七八号証」から同一〇行目までを「また、甲第七八号証の「私」は、同第七九号証に照らすと、代次郎を指すことが明らかというべきである。」に改め、同二九枚目表初行の冒頭に「前記の」を加える。

9  原判決三〇枚目表三行目の「等」の次に「の事実」を加え、同三一枚目表六行目の「継続している模様である」を「係属している(甲第一三二、第一三六号証)」に改め、同一〇行目から同裏三行目にかけての括弧書きを削り、同六行目の「そして、」の次に「中沢の供述等(甲第一二三、第一二四、第一二六、第一二七号証、同人の当審における証言)によると、中沢は、控訴人を被告として本件ワリコーのうちの一部(合計金額一億五一〇〇万円に相当する分)について、代次郎から生前贈与を受けたものであるとして、それに相当する債券が同人の権利に属することの確認及びその債券証書の引渡を求める訴えを提起していることが認められ、また、」を加え、同末行の「一億六〇〇〇万円」を「一億五一〇〇万円ないし一億六〇〇〇万円」に改める。

10  原判決三二枚目表二行目から同三行目にかけての「から、右一億六〇〇〇万円」までを「ことに加えて、中沢が代次郎から生前贈与を受けた証拠書類であるとしている「中沢幸子に対する証明書」(甲第一二三号証)には、「日本興業銀行のワリコーは全額中沢幸子の所有するものである(一億五阡萬万円、六〇〇萬円也)」と記載されているのに、当時の日本興業銀行に対するワリコーの総額は二億円を超えており(原判決別紙五「割引興業債券の異動推移表」)、金額が一致しないのみならず、同人が右訴訟の対象としている債券は右甲第一二三号証の作成日付け以降に購入され、又は乗り換えられてきたものが大部分であると認められることからすると、右一億五一〇〇万円ないし一億六〇〇〇万円」に改める。

11  原判決三二枚目表一〇行目の冒頭に「設定又は」を加え、同裏九行目の「課税価格は」の次及び同三三枚目表六行目の冒頭に各「前記の」を加える。

二  以上の次第で、控訴人の被控訴人に対する本訴請求を棄却した原判決は相当であって、控訴人の本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 加藤和夫 裁判官 村田長生 裁判官 福岡右武)

貸付信託の異動推移表

<省略>

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